溶ける部屋
貴重な夢
「今日は俺が一番最初に入る」


みんなで部屋の前まで移動して来てそう言ったのは、弘明だった。


「大丈夫?」


伶香が心配そうな表情を浮かべてそう聞く。


「大丈夫だ。今日の時間は昨日と同じ5分にしよう」


弘明はそう言いながら、健にロープを渡した。


「わかった。5分程度なら大丈夫だろ」


健は受け取ったロープで弘明の手を結びながらそう言った。


「じゃぁ、行ってくる」


弘明は伶香へ向けてそう言い、部屋の中へと入って行ったのだった。
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