龍の押し売り
 龍の子は、足を止めてそんな大人二人を見て不思議そうに見上げます。
 
 女の子に至っては、クルクルと回されて目が回ってしまいました。

「『押し売り』か! いやいや! なるほど! しかし天耀、家族に黙って家を出るのは良くないぞ。君はまだ子供だ。きっと心配していらっしゃるだろう」

 龍の子は、たちまち萎れた野菜のように元気をなくして、

「ごめんなさい……」

 と、小さな声で謝りました。


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