memory〜紅い蝶と私の記憶〜

「…星南。困らせちゃってごめんね」


「っえ？」


「顔見たらわかるよ」


そう言う高松くんの顔はすごく辛そうで。


そんな辛そうな顔で笑ってるから私まで辛くなるっ。


だけどそんな顔をさせているのは私で。


だからといって告白を受けることは出来ないっ。


告白を受けてしまうと〝誰か〟を悲しませてしまう気がして…。


「少しは好かれてると思ってたんだけどな〜」


「た、高松くんのことは好きだよ！だけど…ごめんなさいっ。私にもまだよくわかってなくてっ！」


過去のことはもう気にしないと決めた。


だけど、記憶を思い出さないと…いけない気もしてきたんだ。


じゃないと、ここから先、もっと前に進むことが出来ない気がする。


〝誰か〟って言うのも気になるし。


だけど…っ。