memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「…当たり前だ!記憶とか関係ない!」


「そうだよ!記憶がないなら、私たちと新しい思い出を作ればいいよ!」


「そうそう、仲間になったわけだし」


記憶喪失の私を邪険に扱わないで仲間って言ってくれるなんて…。


本当にこのクラスで良かった。


「というわけです。ね?大丈夫だったでしょ?」


「はい!」


「ふふっ。では、赤澤さんの席は高松くんの隣です」


「あ、やっぱり朝からあるこの机は転校生のだったんだ」


高松くんと呼ばれた子は笑顔のままそう答えた。


あ…この人が高松くん…。


しかもお隣さん…。


「赤澤さん!僕は高松昶(タカマツ アキラ)!よろしく!」


「よろしくお願いします!」


お辞儀をして言うと、くすくすと笑う声が。


「高松くん…?」


「ごめんごめん。僕の周りにはそんなに丁寧に言う人はいなくて」


「ちょっ?!どういうことっすか?!」


くすくす笑う高松くんの言葉に反応したのは、さっきまで窓から外を見ていた赤髪の女の子。


この子の反応からして、高松くんの言ってるの
はこの子?



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