memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「そうなの?!」


「え、あ、はいっ」


「そう…」


び、びっくりしたー…。


そんなに驚くとは思わなかった。


「…もしかして星南ちゃんって…」


「美緒さーん!持ってきましたよ!」


「ありがとう」


美緒さん、今何を言おうとしたんだろう。


すごく悲しそうな顔してた。


瞳が揺れ動いてて、現実を受け止めたくない…というような…。


「…星南ちゃん」


「はい?」


美緒さんはにっこりと笑うと。


「これ、もらってくれない?」


「えっ?!そんな!頂けないです!」


「この服は好きじゃない?」


「全然!むしろ好きです!」


白色のワンピース。


裾には控え目なレースが入ってて、襟元にはネクタイ。


丈も膝辺りですごく好みの服。


「ならもらって?」


「でも…」


「これね、弟と一緒に作った初めての服なの。きっと星南ちゃんなら似合う。ううん、誰よりも、絶対に似合うはずだから」


その力説が、言葉がすごく気になったけど。


そこまで言われると…ね。


「…わかりました。お言葉に甘えます!」


「ふふっ。良かった」


本当に嬉しそうに笑うから、私まで嬉しくなる。


美緒さんの笑顔を見ると、心がすごく温かくなる。








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