memory〜紅い蝶と私の記憶〜

「…あっ！星南さん！」


「こんにちわ！…ごめんだけど、お水もらえるかな？」


「はい！ちょっと待ってて下さいね！」


は、早い…。


もう見えなくなったよ。


「どうぞ！」


「ありがとう」


はぁ…緊張と不安から喉カラカラだったんだよね。


さっき持ってた水も全部飲んじゃったし。


「もう会議始まってるよね？」


わかってるけどね。


最終確認ってやつです。


しつこいのはわかっております。


「ちょっと遅れたみたいで、今さっき到着されたところなんですよ」


今さっき？


…ああ、倉庫の入り口前に置いてあったあのバイクたちはやっぱり紅蝶さんのなんだ。


でもさっき到着したなら始まったばかりだよね。


走ってボサボサになった髪を手ぐしで整える。


身だしなみも…大丈夫。


よし。