memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「まっ!!」


ガバッと起き上がると、そこはいつもの私の部屋。


…あ、夢?


でもあれはきっと私の記憶。


そして、あれは私から私へのメッセージ。


〝あの人〟というのは、きっと彼氏さんのこと。


最後、私は『恐れないで。大丈夫だから。信じて。そして早くあの人を悲しみから救ってあげて』


そう言っていた。


悲しみから…ってことは、彼氏さんは今の私を知ってる?


事故に遭い、記憶を失った私を…?


…もしかして、紅蝶の誰か…とか?


…やっぱり分からない。


早く思い出したいのにっ。


まるで記憶が私を拒んでいるよう。





『星南、好きだよ』


前よりはっきりと記憶を思い出してきた記憶。


だけど…。


やっぱりあなたのことは思い出せない。


ごめんなさい…。









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