memory〜紅い蝶と私の記憶〜

相談をしようと思います

「星南っ?!うわっ、びしょびしょ?!ちょっと待ってろ、タオル取ってくる!!」


家に帰ると、ちょうど倉庫から帰宅したお兄ちゃんと玄関で遭遇。


笑えるほど動揺してました。


私というと、雨のおかげか少し落ち着いてきた。


…なんて嘘。


落ち着くどころか、もっと混乱してる。


落ち着きたいのに、頭がぐちゃぐちゃで、整理も追いつかない。


「ほら!タオル!…これは風呂に直行の方がいいな。母さーん!ダッシュで風呂沸かしてくれー!」


私は、なんで拒絶したんだろう。


昶のことが好き。


ドキドキもしたし、一緒にいて楽しいと思っていた。


なのに、なんで?


「…星南?」


「ぇ?」


「携帯、さっきからずっと鳴ってるけど出なくていいのか?」


電話…。


「…うん。いい」


見なくても電話の主なんてわかる。


この着信音は1人にしか設定していないから。


先に帰ったから心配してるんだろう。


でも今はほっといてほしい。


そうしてるうちに着信は鳴り止み、それから携帯が着信を知らせることはなかった。


「星南。風呂から上がったら俺の部屋にこい」


「え?お兄ちゃんの?」


「おう。少し話をしようか」









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