memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「どうしたら許してくれます?」


「そうだな〜。これを付けてくれたら、かな」


そう言って差し出されたのは、つき君から付き合って初めてもらったお揃いのピアス。


目覚めた時にお兄ちゃんが預かってくれたもの。


それをどうしてつき君が…?


「星希から預かったんだ。記憶が戻ったら返してやってくれって」


お兄ちゃん…。


つき君からピアスを受け取り、耳につける。


せっかくだし、といろんなピアスを付けていたけど、やっぱりこれが1番ピッタリくる。


「つき君」


「ん?」


「ありがとう」


私を探してくれてありがとう。


辛かったはずなのに、毎日会いに来てくれてありがとう。


「大好き…」


「ん、俺も。いや、俺は愛してるかな」


「ふふ」


小さく微笑むと、顔に影ができ、つき君が近づいてくるのが気配でわかる。


そっと目を瞑ると、唇に柔らかい感触。


数ヶ月ぶりに交わす口付けは優しくてすごく甘いものでした。











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