memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「美鈴ちゃん。またみんなでお出かけしようね?」


「…っはいっす!!今度は遊園地に行くっす!!」


なんで遊園地なのかは謎だけど。


でも、私の正体を知っても変わらず誘ってくれるのは本当に嬉しい。


「うん。…じゃあ、私行くね」


「おう!いつでも帰ってこいよ」


「待ってますね」


「「またね!」」


「うん!またね!」


みんなに手を振って倉庫を後にする。


…まさかこんな風に笑顔でまたねって言えるなんて。


「…星南」


もう、そんな顔しないで?


「記憶を取り戻しても、正体を知っても、距離を置いたりしないで前みたいに接してくれて、またねって言い合えるなんて想像してなかったんだ」


記憶が戻ってからは、もうこれで最後だって思ってたから。


だから、すごく嬉しいんだ。


それもね?


「つき君が待ってるって、頑張ってこいって背中を押してくれたからだよ」


大切で、私の居場所だとさえ思わせてくれたmoon。


だけど、やっぱり私は紅蝶が1番なんだ。











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