memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「昶!これをさ、改造とかしたら面子たちとも出来るっすかね?!」


「改造って…部品さえあったら出来るんじゃないかな?」


普通からしたら、ツッコミどころ満載な会話。


最初につっこむとしたら、部品があれば改造が出来るのか!って言うかな。


普通は部品があっても改造できません。


つっこむ内容があっても、私は口を開かずにただじっと2人を見つめるだけ。


その会話を聞いて、私の心に何かが迫ってくる気がしたから。


なんて言うのかな?


こう…波が砂浜に迫ってくるみたいな?


よくわからないけど、そんな感じ。


なんてのんびり考えていると。







──ずきっ。


突然痛みだした頭。


頭を押さえながら軽く周りを見る。


良かった…誰も気づいてない。


この状況をお兄ちゃんたちに気づかれると心配される。


心配してくれるのは嬉しいけど、不安そうな顔をしてほしくないから。




笑顔でいてほしいから。



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