memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「姫って…正気ですか?!」


「星希さん、頭大丈夫ですか?!」


「ど、どこかぶつけたっすか?!」


「お前ら!!言葉は違うが、言ってる意味は同じだからな?!」


おお、そこでツッコミますか。


ていうか、頭を心配されるようなことを言ったってことだよね?


その姫?ってやつはなんなんだろう。


「星南さん、姫というのはですね、いわゆる族の守らないといけない人です」


守らないといけない?


「まぁ、人それぞれ捉え方は違いますが。星希のように妹を姫にする族もいれば、彼女を姫にする族もあります」


「彼女を姫に…」


──ズキン。


…ああ、まただっ。


この頭の痛み…っ。


クラリとめまいがする。


頭を押させる私に気づいたのか、お兄ちゃんたちが心配そうな顔で見つめてくる。


また心配させちゃった…。


そう思っても、なかなか引くことのない痛み。
何が頭痛を起こす原因っ?


痛む頭を押さえながら考える。



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