memory〜紅い蝶と私の記憶〜
「あー!星南ちゃんが笑ってるっす!」


「本当だ!」


2人のその言葉には苦笑いだけど。


あ、幸助先輩も苦笑いだ。


お兄ちゃんは…っと、あれ?何か泣きそうな顔してる?


あーあ、情けない顔してるよ?


総長がそれでいいのかな?


でも…泣きそうになるくらい嬉しい…って思ってくれてるって思っていいのかな?


「お兄ちゃん」


「ん?」


「ありがとう」


私の突然の感謝の言葉にお兄ちゃんは首を傾げている。


ありがとう。


私をここに連れてきてくれて。


私をみんなに紹介してくれて。


私を姫にしてくれて。


本当に、ありがとう。


「みんな!よろしくね!」




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