15歳の親
裕太の部屋で幾度目かのキスをした。
すっと、裕太の手が胸に触れてくる。
軽く抵抗するが、簡単に抑えられてしまう。
深い深いキスに頭がクラクラする。

「葉月…したい…。ガマンできない…」

私の返事も聞かず、ベッドへと押し倒された。
枕の下から一冊の雑誌がドサッと落ちた。
それを拾うことさえせず、深いキスが続く。
そして、服のボタンが一つづつ外された。


お金がない、という理由で避妊具はなかった。


たった一度きりで妊娠するはずがない。
中で出さなければ、妊娠は絶対にしない。


それは、先輩達から聞いた話だった。
私たちは、先輩の言葉をうのみにした。
甘すぎる考えだったと後悔しても遅い。

私たちにとって好奇心を満たす為の行為。
愛してる、の本当の意味さえ知らない私たち。
私たちは、言葉の意味を理解している気でいた。
避妊具なんてお金さえ出し合って買えば良かった。
真剣に未来の事を考えていたら出来たはず。
相手を愛していたなら当たり前だっかのに。


友達の未来が明かりで満たされる。
私の未来は暗闇で閉ざされていく気がした。
< 3 / 47 >

この作品をシェア

pagetop