黒い心の片隅の、想いがあなたで消えた時
「雫ちゃん、どうしよう!」
全ての授業が終わった放課後、玲奈ちゃんが泣きそうになりながら私の元に来る。
玲奈ちゃんとは初めて話した時から常に一緒にいるようになった。
あの日から一週間経った。
だけど、いつも笑顔の玲奈ちゃんがこんなに泣きそうになっているのは初めて見る。
「どうしたの?」
「課題テストがやばくて……」
泣きそうなまま、私の机にプリントを広げる。
それは春休みの課題テスト。
春休みの課題の範囲から問題が出される。
だから、一度は解いた内容のはずなんだけど。
「……玲奈ちゃんってもしかして、頭がよろしくないの?」
「よろしくないの」
ショボンとしている玲奈ちゃんには、正直かける言葉が見つからない。
数学と英語と現文。
課題テストだから、課題さえしてればそれなりに点数は取れるけど、私の目の前にあるテストは36、21、39という数字が赤で書かれている。