田舎に行こう
ブランコに並んで座って
ゆっくりと時間を過ごした。

「タカちゃん・・・」
弘美はそんな沈黙を破るように
話しかけてきた。

「奈津ちゃんのことでしょ」
弘美は言った。

隆史は驚いたが、ゆっくりと
うなずいた。
「俺は高科のこと・・・
 奈津のことが好きなんだ」
奈津と呼ぶ声を聞いてしまって
弘美はたまらなくなってしまった。
早くここから逃げたいと
考えていた。

弘美は隆史に思いを告げようと
さきほど家を出た。
そしたら、その隆史が自分の
家の前にいた。
嫌な予感がしていた。
その予感は今、隆史の
言葉で現実になってしまった。
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