強引上司にさらわれました

◇◇◇

ハッとして体を起こす。
その途端、こめかみに強烈な痛みが走った。


「起きたか」


薄明りの中、視線を彷徨わせると、課長はひとり掛けのソファに座ってスタンドの明かりで本を読んでいた。
私はというと、もういっぽうのソファで寝ていたみたいだ。


「……すみませんでした」


ソファの上に正座をして謝る。
土下座のような格好になった。


「誰が、酒が強いって?」

「おかしいですね」


あのくらいで酔っ払うなんて。
結婚式の夜はワイン二本を空にするくらいだったというのに。
ビールごときでこのざまとは……。

今何時だろう。
グルリと部屋を見渡して、テレビ台の上にデジタルの時計を見つけた。

――うそ、午前一時!?

思い出したのは、課長からもらったタイムスケジュールだった。
課長の就寝時間は、確か午前〇時。
一時間も過ぎてる。

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