弱虫なボク~先生と生徒の距離~
僕の心は、激しく揺れ始めた。


「お前ら…何してんだよ…」


ボソボソと言った言葉が、なぜか震えていた


「まさか、井手がこんな写真を持ってたとはな」



あはは、と足立が低い声を教室内に響かせると、クラスメート達も(男子のみ)思い出したかのように笑い始めた。



そして、挙げ句の果てには、


『井手は先生が大好きだ』


『教師に恋した井手君』


などと、はやし立て、手拍子と共に低い声の大合唱。


どんどん、僕は冷静さを失っていくのが分かり、


「お前ら…」


唇を噛み、痛さを感じながらも、気づけば足立に向かって飛び出していた。


細い腕をめいいっぱい高く上げて…
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