弱虫なボク~先生と生徒の距離~
僕の気持ちを


伝えるチャンスかもしれない。


でも、その反面


これからの先生との2人っきりの時間がピンチとも思っていた。


弱虫な僕の事だから、多分、チャンスを見逃し


ひたすらピンチにパニックになって


逃げ出してしまい、いつもと同じ事を繰り返して終わる…


先生の小さな体は、生徒指導室の前に着くとゆっくり止まり、


僕の方へと、踵を返して声を出さず黙ったまま。


ただ、温かい瞳で僕の事を優しく包み込むように…


さっきまで、あんなに冷めきっていた僕の中の冷たい『何かが』ジュワと音を立て


溶けていくのが分かった。


でも『何か』ってのは、ハッキリとは分からない。
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