弱虫なボク~先生と生徒の距離~
どんどん近づいて来る


僕は、慌てて木の後ろに身を隠し、恋人達が通り過ぎるのを待った。


土の上に落ちている葉を踏む音が、ザッザッと大きく


もうすぐで、通り過ぎて行くだろうと必死で、呼吸を止めたりを繰り返した。



どんどん、どんどん足音が大きくなっていくのと同時に


僕の心臓もドキドキと激しく音を立てていく。


ちょうど、僕の居る木の側で足音は止んだ。


「ツヨシ…もう1回、キスして…お願い…」



……リナ?


………りな?



…………里奈?


身を潜めていた僕の耳に、ハッキリと大好きな里奈の声が。


でも、でも、まだ声だけでは決めつけては……


『違う』と思いたいのか、『違う』と自分に言い聞かせているのか


しかし、小刻みに足が、ガクガクと勝手に震えだしてきた。
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