センセイ、あのね
はじまり

「ごめん、オレやっぱりあいねが好きだから、加藤とは付き合えない。」

「うん、わかった。ありがとう。」

ーーーーー 「なにそれ!!ありえない!!」

私の隣で叫んでるのは親友の藤本 寧々。

一ヶ月間好きだった鈴木優人が、私の事を好きっていう噂を聞いて告白したら、これ。

ほんとにありえない。これで0勝2敗…(泣)

私、加藤真理は中学二年生。今まで1回も彼氏ができたことがありません。まぁ、まだ大丈夫!…だよね??

「てかさ、愛音が言ってきたんでしょ!?優人、まりのこと好きだって」

人の部屋のベッドで、漫画読みながら聞いてくる。

「うん」

「なのにあの二人できてるとか、ありえなくない!?」

ほんとだよ〜、本当浮かれてバカみたい。
「わたしも早く彼氏ほしいーー!!!」

「そんなに彼氏欲しいの??」

「当たり前じゃん!だってキュンキュンしたいじゃん??」

ガバッ

いきなり寧々が後ろから抱きついてきて
「きゅんきゅんした??」って、

「しないよ!全然!てか!男の人じゃないと!!ダメだし!」
手を振りほどきながらいうと

「なーんだ、じゃあこれ読んでみなよ!はい!」

渡された分厚い小説。
題名は「白いジャージ」

「なに、これ??」

「恋愛小説だよ!きゅんきゅんするにはうってつけだよ〜」
ニヤニヤしながら得意げに言われても…

「いや、私小説苦手だし!漫画派だし!」

「いいから読んでみる!!ね?」

「ん〜わかったよー、読めばいいんでしょ、読めば。」
しぶしぶ納得した私と、時計を交互に見ながら寧々は

「じゃ!私用事あるから帰るわ!じゃねばい!」
「おばさんごちそうさまでしたー!」

って家でてくの早すぎだから!!

ひとりになった私は机の上にある大の苦手の小説とにらめっこをしていた。


「まぁ、読んでみようかな」

手に取り開いてみるとあっという間に夢中になり2時間で読み終わってしまった。

内容は…先生と、生徒の恋。

「先生と生徒かぁ、ありえないでしょ〜」

「まぁ、面白かったけどね」

一気に読んだ私は眠くなってそのまま寝てしまっていた。


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