クールな御曹司の甘いお仕置き
ヤル気満々の美緒。

「また負けるのによく言うな」

下らないと内心思ってはいても、美緒の笑顔を見てついつい付き合ってしまう俺もこいつに結構甘いのかもしれない。

「やってみなきゃわからないでしょ」

金魚すくいのポイ握り、美緒が真剣な眼差しで水槽に目を向ける。

この真剣さ、仕事で生かせたらいいのだが。

「えい!」

狙った金魚をポイですくおうとするがすぐに金魚に逃げられ、美緒は何度目かのトライでようやく一匹すくう。

だが、ポイが破けてしまい美緒は呆然となった。

「嘘?一匹で破れちゃった。もっとすくえると思ったのに……」

ガックリと肩を落とす美緒。

「お前、下手すぎ。相変わらず不器用だな」

クスッと笑うと、俺は美緒の横で淡々と金魚をすくう。
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