クールな御曹司の甘いお仕置き
鍵を開けて中に入ると、私は自分が使っているゲストルームに入り、ベッドに飛び込んだ。

ベッドで声を上げて思い切り泣きじゃくる。

優君に恋人が出来た。

相手は美人で有能で……優君にはお似合い。

いつかその日が来るって心の中ではずっと恐れていた。

やっぱり……幸せな時間って長くは続かない。

優君に恋人が出来たなら、もうこれ以上ここにいるわけにはいかない。

それに、優君と顔を合わせたくない。

ベッドの横に置いておいたスーツケースを引っ張り出すと洋服を畳まずにその中に詰め込み、優君のマンションを出た。

夜の街を行く宛もないままトボトボと歩く。

どこまで歩いたのだろう。

足が痛くて近くの二十四時間営業のハンバーガー店に入る。
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