【短ホラー】殺人チャンネル
5963番
「その時間にはね……ひとつ、チャンネルが増えるの」

サキはわざとらしく低い声で言った。
その様子に私はごくりと息を飲んだ。



「5963番が……」


「ごくろーさんじゃん」


やっぱり、こういう噂ってたいてい作り話。ていうか作るならもっと自然な番号にしなさいよって感じ。


「ホントなんだって!!」

私の呆れたような言い草に、サキはムキになって反論した。

そのうしろに汚れた息を吐く工場が見えた。

私とサキは高一で、今は夏休み最後の補習の帰り道をお喋りしながら歩いている。


そして話題は、どこで聞いたのか知らないがサキの嘘っぽい怪談話だった。
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