バカは私の取り柄ですっ!!
第2章 ⋆*side~湖南遼~⋆*
家が近いから。

ただそんだけの理由でラカ中に入学した俺は、

模擬テストで、首席を取ってしまった。

おかげで注目された。


「ねぇ。あの人かっこよくない?」

「え!しらないの?あの人、湖南遼君だよっ!しらないとかありえない!女子ならみんな知ってるよ?」

「うそっ!そうなの?」

「そ~そ。あれで頭もいいの。私も勉強教えて欲しい~!」


そんな女子の会話が聞こえてくる。

いつものことだ。

俺は昔からモテる。

自惚れとかじゃなくて。

俺のこと知りもしない奴によく告られるからな。

これでモテないなんてゆったら殺されるだろ?

教室に入るなり、女子には


「遼君っ!お、おはよっ!」

「ばかっ!遼君って呼んだら矢波さんに目付けられるよっ!?」

「え、そうなのっ!?こ、湖南君、これから…よ…よろしくね?」


矢波とは、俺の元カノのこと。

矢波かおり(やなみかおり)

気まぐれで付き合っただけなのにコレだ。

正直うんざりする。
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