いつかまた逢う日まで

俺の記憶

茉莉奈の誕生日から茉莉奈に会えない日々が続いた


それはコイツ小野瀬美央(おのせみお)が異常に引っ付いているせい

今日も俺んちまでくっついてきてる

まだ下校途中だけど

俺の事が好きと告白されてから引っ付いている

俺は断ったのに

「なぁ、いい加減離れてくれない」

「なぁんでぇ〜だって想真くんの事好きなんだもーん。想真だって美央のこと好きなんでしょ?」

コイツの話し方いちいちイライラする

女にキレるなんて初めてだ

「俺はお前の事好きじゃないから、むしろ邪魔。」

「じゃー、想真がキスしてくれたら離れてあげるー!」

あー、本気で久しぶりに怒ったような気がする

「は?お前ふざけてるのかよ。茉莉奈が学校からいなくなったからいい事に俺に近づくんじゃねーよ。知ってるぞ茉莉奈を虐めたやつはお前って事。気づいていないかと思ったのか?」

小野瀬は突如に顔を真っ赤にする

「な、なによ!西山さんの近くにいるのが悪いんじゃん!西山さんは私の彼氏を奪ったのよ。」

「実際付き合ってないだろ。事実上茉莉奈奪ってないだろ。しかもそれで虐めていい理由にならないから」

小野瀬は俯いている

「だって……。」

「そんな理由は必要ない。」

頭を撫でてやる

「お前はお前だろ。茉莉奈は茉莉奈なんだ、他の誰が茉莉奈のこと好きだろうが虐めていい理由にならないからな。」

「ごめん……なさい。」

申し訳無さそうにいう

「今回は茉莉奈に黙っててやるが、次はないぞ」

「わかった。もう付きまとうのもやめる。西山さんにも私から謝っておくよ。」

あ、そうだ。コイツらまだ茉莉奈の事情知らないよな

「茉莉奈の事だけど聞いてくれる?」


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