失恋にも浸れない!〜私、王子様の彼女になったんですか!?〜
そのまま放心状態でいれば、

和泉が、

「泣くなよ。」 って。

……。


あー。

私。


泣いてるんだ。


言われて初めて耐えきれていると思っていた涙が零れていた事に気づいた。

……。


制服の袖口でそのまま拭い、


その場に立ち上がる。


「帰るの?」

無駄な笑顔もない、
至って普通な和泉に、


「御手洗……」

そう告げれば、

「出てすぐ隣。」

「ありがと」

鞄を持って、そのままそこを後にした。
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