笑顔の君とボク

ボクには有り得ないけど









梅雨は空け、晴れる日が増え気温も暑くなってきた。








「あっちぃーーー」





「下敷きで扇ぎながら登校するのは、やめなよ。」



「いやー、でも暑すぎね?拓海はよく汗ひとつかかないで、そんな無表情でいられるなぁ」



「別にそこまで暑くないよ」













無表情。








よく言われるな。





小学生の頃は







あんなに笑っていたのに。




何故だろう、特になにか変わったことなんてない。






ただ



なにか好きなものや



打ち込めるものが無いだけ。












何も変わらない。





ただ繰り返すだけの時間。









「……」






「おはよ!」






「……ん?」




「おはよってばー!」





ふと気付くと目の前に、まんまるの目をした 例の少女がいた





「あっ…」



「何ぼーっとしてるの?ねむいの?」




「いえ、考え事していて 気づきませんでした。」


「そーなんだ!」


「はい」









ん?

話は終わったはずなのだが……

まだこちらをみて、動こうとしない。




ずっとまんまるい目でこちらを見てる。


何か用はあったっけ……




あっ…そうだ。






「おはよう…ございます。」



「うん!おはよ!」



正解 と言わんばかりの笑顔で、ボクを見て
走っていってしまった。




あっ、廊下走っちゃいけない。



それをいう間にいなくなってしまった。





< 7 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop