スパイシーショコラ
一見すると、どう見てもアンバランスなファッションのこの二人。


都会のキャッチセールスの兄ちゃんと、それにカモられた田舎から出てきたてのイモ青年、に見えなくもない。



けれど、やはり何か特別なオーラとでも言うべきものが漂っているのは、時折、振り返って彼らを見る女の子の熱い視線を見れば明らかだった。





単なる悪目立ち、と言って片付けてしまうのとは違う魅力が、彼らにはあるのだ。





しばらく歩くと、あるショップの前で流星が立ち止まった。




ぽんぽん、とアキラの肩を軽く叩いて、何やら、ショーウィンドウの中のものを指差して見せている。





そのまま、二人は、そのショップに入っていってしまった。





(あちゃー、ショップか~!!見つからないように気をつけなくっちゃ!!)





面がばれないように、気を遣いつつ、ショーウィンドウから中を覗いてみる。





(うわー、ここドルガバのショップだったんだ!!もしかして、流星さん行きつけのお店かしら??)





中をうかがうと、狭くはないが、かといって面がばれない程度の距離を十分に保てるとは思えないほどの広さ、ま、正直、そんなに広くはない店内、花江は、そのままショウウィンドウごしに二人を観察することにした。




(つか、これじゃアタシ、まんまストーカーじゃん!!ひぃー!!)




改めて、自分の間抜けさ加減に情けなさを禁じえない花江であったが、そこは気を取り直して、ショーウィンドウの中に目をやった。


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