スパイシーショコラ
「え、何、どうかした?」


「ううん、なんでもない!!ねぇ、このチョコレート、家に帰ってから、一粒、残りは明日会社で食べることにするわ♪」



「うん、そうだね、それ位がちょうどいいよ。いっぺんに食べると、鼻血が出ちゃうぞ~!!」



「え~、そんなことあるわけないっしょ!!コドモじゃあるまいし~、もう~コツンだぞぉ~」




そう言って、花江は、アキラの頭に強烈なパンチを一発お見舞いした。



なんてことはなく、小さな拳で優しく小突いた。



「ひえ~、アイタタ~」



打ち所が悪かったのか、アキラは突然泡を吹いて倒れた。


なんてことは、もっとありえるはずもなく、掌を軽くおでこにあて、降参のポーズを取る。




「アッハハハ~」

「ウフフ~」



何が楽しいのか、ベタなやり取りに興じる二人の元に、次のお客がやってきた。



ゴゴーッッ!!!キキキーッッ!!!!




バタンッッ、バシッ!!!




公園脇の路上に、颯爽と現れた赤いスポーツカー!!!




現れたのは、白いスーツに身を包み、足元まで、白の、しかもエナメルの靴でまとめた若い男。



ヘアーはロン毛の茶髪。両耳にピアスが光る。




(何者なのっ???) 不安とも、怖れともつかない、妖しいざわめきが、花江の心に吹きすさぶ。。。








つづく…
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