距離0センチ
「ちょっと……どうしたの?離れて」
いつもいつも抱きしめられるけど、いまだに慣れないし、心臓はバクバクする。
「嫌です…」
そう言って、私の肩に頭を沈めてくる。
首筋に立花君の髪が触れて、くすぐったい。
いつものような、犬みたいにじゃれて抱きつくようなのとは違った雰囲気に、私も飲み込まれていく。
……恋人どうしでもないのに、こんなのおかしいって分かってる。
でも……。
「……甘いやつ」
「え?」