距離0センチ
「俺たち、恋人に見えるかなと思って」
ちょっとふざけた口調で立花君は言うから、私も軽く笑って流した。
結局その後はずっと、変にソワソワしてしまった。
きっとお祭の雰囲気が悪いんだ。
そういうことにしておいた。
屋台は混んでいるから、私を人が少ない所に案内して、立花君はいろいろ買ってきてくれた。
そういう気遣いとかお金出させちゃったことに謝ったら、
「そこは、ありがとう、ですよ?」
なんて優しく言われちゃったから、ありがとうとお礼した。