隣の部屋と格差社会。



なに、これ。

胸が痛い。頰が熱い。佐渡さんの顔が、近い…。


なんなんだろう、このふわふわ感。

今まで味わったことのない幸福感。


佐渡さんの言葉の全てが頭の中でこだまする。


これ、現実なのかな。


夢なんじゃないかと思い始めたとき、頰にあった熱い手がふと離れた。

寂しい。


そんな気持ちが湧いたと思ったら、佐渡さんの骨ばった長い指が、私の横髪を耳にかけた。


あ、これ現実だ。

だって、耳に触れる佐渡さんの指がなんだか妙に艶めかしくて。


体の奥のほうから、感じたことのない何かがじわりと湧き出てくる。



< 242 / 250 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop