隣の部屋と格差社会。


「口座引き落としにしてなかったのか?」

「してなかったんです。」

「支払い関係は引き落としにしておいた方が、こういうことになり難いぞ。」


ごもっともな意見をくれる佐渡さんは腕を組んでいて、なんだか区役所の『町民係 係長 佐渡』って感じだ。


「どうすればお水出ますか?」

「平日なら午前中に払えば、確か昼過ぎくらいには使えるはずなんだが、今日は土曜だからな。」


どうしよう。今日と明日お風呂入れないの…?


「あとの生活用水は買うとして、風呂は銭湯に行くか。」

「銭湯?て、あの銭湯ですか?!」

「どの銭湯かは分からないが、銭湯じゃ嫌か?」

「私、一度行って見たかったんです!」


銭湯!昔読んだ小説に出てきて、とても行きたがったのを覚えている。


でも、『銭湯ってなあに?』とお母さんに言われて行けなかった。


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