ミチオ
玄関に入ると直ぐの壁に私の身体を張り付け、ミチオはあと少しで触れそうな距離まで唇を近付けた。


当然、キスされるって思ってたから目を閉じたのね。


だけど、一向にキスされないし


ん?


なに?


なんなの?


って片方の目だけそっと開けたの。


すると、


「それ、かーわいいっ。」


息が掛かるくらいの距離のままミチオが言ったから、


「それって、なにが?」


って早くキスしてよって思いながらも気になるから聞き返したの。


「それ、こういうの。」


私の顔真似をするミチオ。


「もうやだ。止めてよ。」


なんだかからかわれたみたいで恥ずかしくて顔を背けると、


「僕、可愛いの好きなんだよね。」


次の瞬間には唇は塞がれてた。






< 6 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop