あの春、君と出逢ったこと
『バレたじゃないわよ。
早めに来たから時間はあるけど……』
『ごめんって!
ほら、上がって〜』
軽く謝りながら翠の後ろに周りこんで、背中を押しながら家に上げる。
『おじゃまします』
『誰も居ないから大丈夫だよ?』
かしこまって、一礼しながらそう言った翠を見て笑みを浮かべながらそう言う。
『私の部屋わかるよね?
飲み物持ってくるから、入ってて?』
そう言った私に返事をした翠を見てから、キッチンに向かう。
翠はウーロン茶だし……私もウーロン茶にしよ!
ウーロン茶とお菓子セットをトレイに乗せて、それを持ちながら空いてる方の手でドアを開ける。
『早速、選びましょうか⁇』
入った瞬間、何故か私に向けられた笑みが黒かったのには、敢えて触れないでおこうかな。
散らかしたままの服を探って、翠がコーディネートしていく。
……私には無理かな、これ。
テキパキと決めていく翠を、感心して眺めながらそう考える。
『とりあえず、これ着てくれるかしら?』
決め終わったのか、一式を私に渡して、翠が次の服に取り掛かった。
私は、今日は翠の着せ替え人形的な感じになれば良いんだよね?
グダグダと変な事を考えながら着替えていく。
『翠、どうー?』
着終えたあと、翠の名前を呼んでから、その場で一回転してみせる。
『……却下ね』
そんな私を見て、一言そう言った翠が、私に向かって次の服を投げ渡す。