孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。


「それより」

お姉ちゃんが涙を拭って私を見つめる。

「今更だけどこの街を離れて、本当にいいの?」

「うん。私がそうしたいって言ったじゃん」

「だけど今日、人と会ってきたんでしょ。気持ちが変わったりしないかなって」

お姉ちゃんは、なんとなくわかっているんだと思う。

私の一番の理解者だから。


「私ね、この数カ月で変わったの。今まで自分のために、自分だけのために生きてきた。だけど、ある人たちと出会ってね、人の考えとか想いとか、考えるようになって、」

「うん」

「言い始めたらキリがないくらいその人たちには感謝してる」


尊大な先生。

自尊心のない見せかけの友達。

私に無関心な家族。

なんてつまらない世界なんだろうって思ってた。

でも彼らと出会って私の世界は広がった。


「だったら、」

「でも!だからこそ!此処を離れた方がいいと思うんだ」

「何で?」


お姉ちゃんが私に優しい眼差しを注ぐ。


< 234 / 250 >

この作品をシェア

pagetop