交わされた約束と共に
「疲れた~」


今は、昼休み。
周りは仲の良い友達などと固まり、昼食をとろうとしている。


「お前、授業中にうめき声上げんの止めろよ。」

「仕方ないでしょ。分かんないんだから。」

「桜、俺の教えられる範囲なら教えるから。
何でも聞いて。」

「ありがと~優斗~」


机に伏せながらお礼を言う。


「おい!アホ桜!!早く弁当出せよ。」

「誰がアホよ!」

「お前以外いないだろ~が。」

「ムカつく!チャラ男翔太!!」


お弁当を出す。

いつも通り3人でご飯を食べる。


「ちょ!私の玉子焼き取らないでよ!!」

「上手い上手い!」


私の言葉を無視して、またお弁当をほうばる翔太。


やられたら、やり返す。


私は、翔太のお弁当からウインナーを取った。



そして、放課後。

私達は、部活をするため体育館へと向かった。

因みに入っている部活は中学の時と変わらず、3人とも同じバスケ部。


ま、私はマネージャーなんだけど・・・・・


「おい、マネージャー。早く準備しろよ。」

「うるさいな~翔太、暇なら手伝いなよ!!」

「はぁ?何で俺が?俺は"選手"お前は"マネージャー"OK?」


そう鼻で笑いながら私に同意を求める翔太。


「OK!翔太の分のドリンク作らないから。」


私はそれだけを言い残し、ドリンクケースを持って水道へと向かった。

後ろで叫んでいる翔太を無視して。



数分後・・・・

部員全員分のドリンクを作り終わり、もう一度ケースを持ち上げる。


いつ持っても重たい・・・・・


そう思っていると、急に重さがなくなり手元からドリンクケースが消えた。


「え・・・?」


まぬけな声が出て自分の口を押さえる。


恥ずかしい///


そう思い俯いていると、


「桜、大丈夫?」


この声・・・・・


「なんだ、優斗か~」

「俺じゃ悪いのかよ。」


そう言いながら頬を少し膨らまし、そっぽを向く優斗。

拗ねた姿がとても新鮮だ。


「ごめんって!拗ねないでよ!!」

「別に拗ねてないし~」


「そんな事より早く行くよ。」と言って私の前を歩き出す。

皆の前では大人びた姿しか見せない優斗が私の前では色々な姿を見せてくれる。

それは、まるで私に"特別"だと言っているようで凄く嬉しかった。


「待ってよ!」


走って彼の後を追う。


こんな当たり前な日々がこれからもずっと続きますように。

そんな私の小さな願いは、






これから起こる悲劇を防ぐ事はできなかった。
< 4 / 7 >

この作品をシェア

pagetop