届かないこの想いを、胸に秘めて。





教室に入ると勢い良く飛びついてきた香奈恵ちゃん。

少しよろめいたけど、なんとか持ち堪えて香奈恵ちゃんを支えた。



あの日を境に、香奈恵ちゃんとはすっかり距離に隙間はなくなった。
さらに、態度はガラリと変化して、結構引っ付いてくる。



香奈恵ちゃん、がね。


なんかみんなに見せびらかすみたいで、私たちは親友なだけなのに。


まあ、私が夏休み前にあんな事言ってしまったのが、原因なのかもしれないけど。



香奈恵ちゃんの新しい一面と受け取ってもいいのかな。


意外と、甘えんぼさんだなと思った。




まだ私から離れないで、腕まで組まれてるし。



……あのね?クラスみんなの視線が痛いほど突き刺さってるの。
香奈恵ちゃん、それに気付いてる?




て、そんな様子じゃ気付かないよね……。



だってこんなにゴキゲンなオーラ出しまくってるんだもん。



私すごく恥ずかしいんだけどっ。







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