届かないこの想いを、胸に秘めて。
おまけ

諦めるきっかけがほしい



鴇田side




はぁ……。

さっきから何回ため息を吐いているのだろうか。


全身が重い。たぶんさっきのでダメージを食らったんだと思う。



長田さんが苦しそうに名前を呼んだから。

いまは聞きたくない名だ。


はは、夢にまで現れてるんだぞ?!……妬けるわ!



そんだけまだ長田さんの中には淳介でいっぱいなんだ。絶対そうだ。



……なんで俺じゃなくて淳介なんだよ。俺だったらキミを笑顔にさせられるのに。


そう思っても届かないのは分かってる。
でも、こんなに好きになったのは初めてなんだよ。俺の初恋は長田さんなんだよ?

もっと早く告げていれば俺を見てくれてた?


長田さん、振るんだったら思いっきり振って。そしたら何がなんでも諦めるよ。そしてキミの幸せを願ってる。



だからその時がくるまで、キミを想い続けるから──。








~【最後の願い】より~

𝐹𝑖𝑛.
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