新月の王 Ⅰ
「今までずっと屋上にいなかった?部屋なんて行ってた?」

「んー行ったり行かなかったり?」

「ふーん。まぁ良いんだけど」


なんか誤魔化された感じがするけど・・・


「碧。冷やすヤツ」

「ちょと待ってね。きっとここらへんに・・・あったあった」


あるのかよっ!って突っ込みたいところだけど、ある前提で探すところがびっくりでしょ?
あ、でも前のままだったらあるって事なのか・・・。


ってか何気に柊哉に手を引かれて座ったソファだけど、何故柊哉の足の間に座らせてるのか、全く意味が分かんないんだけど?上で零二さんと何があったんだ?


「冷たいけど我慢しろよ」

「・・・うん」


冷えピタを貼ってもらったから立ち上がろうとすると、柊哉の長い腕が私の腰に絡みついて立ち上がれない。さっきよりも密着して、これじゃあどこからどう見ても、総長の女みたいじゃないのっ・・・何プレイよ?


「ちょっとっ」

「何だ?」

「いきなり何?これ・・・どういうこと?」

「ん?何が?」


柊哉がおかしい・・・なんで笑ってる?
ってかなんださっきからその甘い笑顔は・・・
< 79 / 103 >

この作品をシェア

pagetop