新月の王 Ⅰ
「んでお前らに頼みがある」

「何すか?」

「これなんだけどよ」


そう言って零二さんはスマホを取り出しある画像を何枚か見せた。


「「「「「これって・・・」」」」」

「そうだ。ここのだろうな」


それは紛れもなく屋上で俺らが楽しく話してる時の様子だったり。俺らが眠ってしまった玲央を抱っこしてる画像だったりで


「・・・って事は、もしや」

「黒龍の姫だってもう流れてる」

「・・・まじですか」

「誰が・・・」

「たぶん、四蛇連だろうな。こっちも調べてはいるけどな、それよりも昨日の事の方がさすがにちょっとやべぇんだ」

「・・・」

「さっきの話のKATANAの件だがな。あれは玲央の兄貴の形見のバイクだ」

「形見?」

「あぁもう4年前に亡くなってんだ」

「・・・」

「あのKATANAはちょっとここら辺では有名でな。だから昨日の一件が玲央だとバレたらちょっとヤベぇんだ」

「零二さん。あのもう少し詳しく話して貰えないですか?」

「・・・そうだよな。分からねぇよな」

「「「「「はい」」」」」

「どこまで話せばいいのか分からねぇけど、あいつの兄貴は10代目黒龍の総長 相馬隼人だ」

「「伝説の?」」

「五龍をまとめたあの隼人さん?」

「そうだ」

「関東龍神連合を作ったあの人ですか」

「そうだ。初代龍神会の総長でもあるあの相馬隼人だ」

「「「「「・・・」」」」」


マジかよ。あの憧れの隼人さんの妹かよ・・・。


今日何度目のアホ面なんだよ。俺ら・・・。
< 83 / 103 >

この作品をシェア

pagetop