夏の日、僕は君の運命を変える






そして僕は今日、心ちゃんから結果を聞いた。

心ちゃんは努力が実を結び、国語がクラスでも学年でもトップだったようだ。

特に学年は2位と大差をつけての1位だったので、凄く喜んでいた。




「おめでとう心ちゃん。やっぱり心ちゃんは凄いね」

『水樹くんのお蔭だよ。
説明とか凄くわかりやすかったから、すんなり覚えられたし。
本当、ありがとう』

「確かに教えたのもあったかもしれないけど、実際は心ちゃんの努力の賜物だよ。
僕へお礼を言う前に、自分自身を褒めてあげて」

『自分自身を…?』

「そう。
自分、頑張った!おめでとう!ってね」

『…自分を褒めたことなんてないよ…』

「じゃあ良い機会だから褒めなくちゃ。
さ、僕が聞いていてあげるから、思い切り褒めてあげて。
今だけ自分大好き人間になっちゃって!」

『…春沢心、頑張った。おめでとう。お前は最高だ。天才だ』

「……ぷっ」

『吹き出すな!すっごくこっちは恥ずかしいんだからね!』

「ごめんごめん。
頑張った、おめでとうまでは良いんだけど、最高だとか天才まで言うと思わなくて」


やっぱり心ちゃんは、面白いや。



『……悪かったね自分大好き人間で』

「でも嬉しいでしょ?」

『……うん。何か、すっきりする』

「これからは苦労した分だけ、自分を褒めてあげて。
繰り返して行けば、きっとモチベーションに繋がるよ」

『ありがとう、水樹くん』

「心ちゃんは、確かに最高で天才だよ。僕が保証する」

『……ふふっ』



僕も心ちゃんを見習って頑張らないと。

最高で天才で、可愛い頑張り屋さんをね。







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