雨の日は君と。~先輩の香り~
「えへへ、ありがとう」
何にもなかったようにヘラヘラと笑う
そんな私を見て李月君は
眉間にしわを寄せる
「風和?」
李月君は鋭い。
私の作り笑いなんてすぐ見破ってしまう
だから、少しでもバレな…
「どうした?」
………っ
ずるいよ。ずるいよ、李月君
そんな心配するような顔しないでよ。
いつもみたいにクールに
淡々と聞いてくれれば誤魔化せたのに。
「なんでもな…「なくないよね?」
うっ……
李月君には敵わない…