†皇帝-emperor-†《Ⅰ》

皇妃 瑠璃side










——……あれ?ここってどこだっけ??


真っ先に視界に飛び込んできた天井。見渡す限り真っ白な部屋はやはり見覚えなんてなかった。


記憶が途切れる前に見た、あの綺麗な男の人の姿もなかった。


ど、どうしよう。


記憶はないけど……もしかして、


私…ふ、不法侵入しちゃた?この年で不法侵入者っていう汚名がついちゃった!?


それとも寝ている間に勝手に歩き回っちゃったりするっていう夢遊病!?


とにかく……お、落ち着こう。


えっと、昨日は何してたっけ?


覚えているのは、綺麗な顔した男の人がいた事と寒かったこと。


あれ?そういえば私、自動販売機の横に居たハズだよね?


おかしい。


ここに至るまでの経緯を覚えていない。

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