FEEL《中》
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「んじゃ、手加減なしですからねぇ。」



茶髪の傷んだ髪を時間をかけて括り、濃い化粧をした女が言った。



「…じゃあ私も。」


「はいはーい、じゃあやろうか。」



女はむぅの言葉を適当にあしらうと飛びかかった。


間合いをまず詰めてから回し蹴りをするがむぅはそれを避けて一歩退がる。その後女はすぐにまた詰めて顔を狙って殴ろうとした。


だがそれが失敗だった。
少し体を伏せむぅは女の腹に1発重いものを食らわすと女が体を屈めたところで下から顎を蹴り上げた。



「あ゛…がは、」



女はふらふらと後ろに退がるとむぅを見つめた。むぅは手を広げたり握ったりを繰り返している。


女が先に動いた。
何をしようとしているのかはわからないが、むぅに向かって走る。



むぅは動かない。



あと何歩かというときにむぅは女を見つめた。女を進行方向に走らせたままで自分は少し避けた。そのあと後頭部から回し蹴り。自分のスピードとむぅの回し蹴りの勢いで女は躓くとそのまま床に倒れた。
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