不機嫌なキスしか知らない
「まあ、あんまりいい噂聞かないけどな」
その印象は圭太も同じらしくて、苦笑いしている。そうだよ、私がクズ男に遊ばれてもいいわけ?
「あ、今井くん!おはよう」
と、突然後ろから聞こえた声に、弾かれたみたいに振り返る圭太。
その声に、圭太の嬉しそうな表情に、ドクンと心臓が跳ねる。
ゆっくり振り返ると、そこにいたのは可愛い女の子。
圭太と同じクラスの、妹尾 菫ちゃん。
艶々の黒髪ロングが清楚で、ふわりと笑う表情が可憐で。おまけに頭もいいらしい。なんだか爽やかでお似合いの2人だ。