世界はきみに恋をしている。

タケちゃんがまた私の頭にぽん、と手を乗せた後、入ってきたみんなを見る。

タロくんヤマくんの後ろには、無表情のノガミくんがいた。


みんなが、ぼんやりと光るライトに照らされた私の色たちをみてた。


泣きそうになりながら、その光景を見た。ずっと、ずっと、この光景を目に焼き付けておきたいくらいだ。一生忘れたくない。

薄暗いのに、ここはとっても光った空間みたいに思えるよ。

私の色たちが、私の大好きな人たちを囲んでる。……こんな素敵なことってないよ。

描いてよかった。……もう一度、絵を描いてよかった。色を重ねてよかった。


ああ、いま、多分はっきりと見えた。私の世界が、動き出す瞬間が。


< 152 / 164 >

この作品をシェア

pagetop