溺愛ENMA様

死後の世界

※※※※※

「ルナ、見えるか?」

真っ暗だった視界が、仁の声をきっかけに色付く。

「……うん、見える。この道が死後の世界へ続く道?」

夢の中で、私は仁に話しかけた。

なぜか仁の姿は見えなかったけど、彼のよく通る低い声はハッキリと聞こえる。

「そうだ。この道を真っ直ぐ歩け。三途の川まで道を繋げてやる。朱里をみつけたらすぐ俺に声をかけろ。 出来るだけ目立つんじゃないぜ? 」

「……分かった。じゃあ後でね、仁」

「気を付けろよ」

私は何処にいるか分からない仁に頷くと、ただ一つの道を駆け出した。
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