涙の流し方
第二章
そして、家族全員で出掛ける日がやって来た。


とても最悪な気分だった。

目覚めは良い方なのに、いつも以上に眠くて、少し気分も悪かった。



「ゴホゴホ、コンコン」



咳が出たと思ったら、止まらなくなって
息ができなるなり、窒息しそうだった。


苦しくて、涙が出た。

おそらく生理的なもの。


このままだと死んじゃうんじゃあないかと思うほどの恐怖が襲ってきた。


けれど、声を出そうにも出せない。


少しすればと思い、ベットに横たわると
さらにひどくなり、起き上がれなくなった。


ひゅー、ひゅーとする音が聞こえた。


頭の中は真っ白になり、息をすることだけに意識を集中した。


何も考えられないくらい息は荒く、咳が止まらない。



その時だった。



「知衛、そろそろ起きて、準備しないとだろ」



お父さんが来てくれた。


でも、そのあとから、記憶が曖昧。


確か、名前を呼ばれた気がしたけど、

僕は意識を手放した。


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